北川湿原(家田・川坂湿原)の存在が話題になってずいぶんと時間が経ちました。とある講演会で研究者の方が「約二十年前は・・・」と話されていたので、おそらく1990年前後から物語は始まっていたようです。
当時、「あれは珍しい植物らしいよ。」という噂は、私たちの耳に入ることもありました。しかし、大学の方が調査に来られたり、遠方から大勢で見学者が訪れても、私どもの関心はイマイチ。絶滅危惧種のオグラコウホネも見慣れた水草のひとつでしかありませんでした。しかも、特別に保護をしてきたわけでなく、地元の人達が農作業など日々の営みの中で、結果的に守ってきていたので、希少動植物の保護や湿地の保全と言われても、今さら何をすればいいの?というのが正直な気持ち。
その一方、地域の素晴らしさが分かってくるにつれ、私たちもこのままでいいのかな?という思いが、芽生えてきているのも事実でした。この地に生まれ育ち、自然からから多くの恩恵を受け、生活と文化を育み、これからもずっと営みは続きます。何かせんといかんとの思いが少しずつ・・・。
そこで、アクションを起こそうと一念発起。
素晴らしい自然環境と地域の宝を守って、内外に情報発信し、次の世代に引き継いでいこうよ!という思いで、『川坂川を守る会』を設立。平成22年に会員10名でスタートしました。
結成からまだ日も浅く、どのような活動をしていけば良いか、手探りの状態です。専門家や関係機関・団体の皆様のご指導・ご助言をいただきながら、楽しく息の長い活動ができればと考えています。
最終的な到達地点は、「自然と人が元気な里地・里山づくり」&「ラムサール条約湿地への登録」。できることから一歩一歩取り組んでいきたいと考えています。